近頃AmazonでChromeBookが売り出されていることが多いです。Windowsのノートパソコンと比較するとやや安価であり、機能もシンプルであることが売りです。
家電量販店では「PCのエントリーモデル」みたいな感じで売られていますね。
ということで今回は2024年現在においてChromeBookって何なんですかという部分を詰めていこうと思います。
Chrome OS
ChromeBookにはChromeOSが内蔵されています。ChromeOSは超ファジーな感覚で捉えるとGoogleChromeと愉快な仲間達で構成されるOSで、Googleアカウントに紐づけて様々なGoogleサービスを利用するOSとなっています。
そのため、基本的にはChromeブラウザを介して機能が提供されており、PWAを拡張したような立ち位置です。
ChromeOSのメリットは、Googleサービスを直接的に利用できる点にあります。ブラウザ上で様々なコンテンツを管理していると、タブがごっちゃになることが多く、情報の整理が難しい点が懸念されますが、ChromeBookの場合アプリケーションとしてサービスを独立させているので独立して操作することができます。
一方でデメリットとしては、プリインストールアプリが多い点に加え、デフォルトのGoogleサービスはアンインストール不可であるという点で注意が必要です。また、現行よりもややレガシーなバージョンを提供していることから、若干機能面で遅れが発生しています。
ChromeBook本体
現行でおおよそ3万円から5万円で入手可能な基本的なスペックと呼ばれるのは以下のような感じです。
・2コア程度のモバイル向けor独自CPU
・4GB~8GBのメモリ
・64GB~128GBのストレージ(eMMC/SSD)
タブレットとしてはやや高性能な立ち位置ですが、PCとしては動作が心もとないレベルのスペックで構成されていることが多いです。
中には高性能モデルも売り出されていますが、安価で販売されているのが魅力である点からニッチな市場になっており、基本的に入手可能なモデルはこの程度に収まっているように見受けられます。
価格帯の差は中のスペックではなく、タブレットとして兼用可能かという点に依拠していることが多いです。そのためPC感覚で使用される場合は3万円代の安価なモデルを購入されるとよいでしょう。
基本的なスペックでの動作
控えめに言ってブラウジングでも心もとないのが現状です。
2003年ぐらいであればちやほやされた立ち位置だと思いますが、クライアントサイドでも高度な処理が要求されるこの時代では、メールチェックや軽い検索でもフリーズしてしまうことが多いです。
そのため、PCに使い慣れていればいるほどPCの形をしているからこそ求めるニーズに応えられないというもどかしさを感じると思います。
Androidとの微妙な互換性
LinuxVMとAndroidが両方使えるとのことで、Google Playやflatpakのアプリケーションが動作することがChromeBookの特徴ですが、GooglePlayの多くはスマートフォンやタブレットに向けて制作されることが多く、仮に動作したとしても挙動が変だったり、画面サイズがうまく調節できないといったケースが多いです。
また、Flatpak経由でアプリケーションを利用する場合は、基本的なスペックの倍以上のスペックを盛ってないと動きさえもしないので、幻です。
稀にギークな方が裏技感覚で導入している例がありますが、あれは高性能なPCにChromeOSを入れるといったニッチな構成をして成しえるものである点を踏まえておく必要があります。
ビジネスマン目線からの最適解
ビジネスマンとして仕事でChromeBookを使う最適解は、RDP接続に絞られると思います。
Officeが動作しない点やメールで固まる点から、直接ChromeOSを使用するのは難しいですが、tailscaleやRDSクライアントを利用し、会社のデスクトップPCやクラウドPCに接続すれば、スペックに依存しないので快適に利用できると思います。
タブレットでキーやマウス操作をするのが煩わしいといった場合にご活用いただけるのではないかと思っています。
個人的には、ノートパソコンを経費で購入していただいたほうが業務効率は高いと思いますが...
子供向けPCとして扱えるか
扱えません。
予算に余裕がなくてもなるべくしっかりとしたノートパソコンを購入して頂くか、N100が搭載された比較的安価なミニPCをご用意いただいたほうがよろしいと思います。
特にプログラムがやりたいという趣旨でご所望の場合はWindowsかLinuxが入ったPCをご購入ください。プログラムに全く向いてないどころかほぼ出来ないマシンです。
また、教育機関からOfficeアカウントが付与される場合も多いと思います。ChromeOSはOfficeがWeb版しか対応しておらず、まともに使えないものと思ったほうが宜しいです。
エントリーモデルPCとして扱えるか
扱えません。
そもそもPCの形をしていますが、実態としてはGoogleサービス専用機です。
文書作成をして印刷なども出来なくはないのですが、Windowsで操作したほうが比較的明確で、情報面でも多いと思います。
個人的には、エントリーだからこそ比較的しっかりとしたPCを購入することをお勧めします。 これはしっかりとしたChromeBookではなく、しっかりとしたPCのことを指します。
まとめ
ChromeBookは実質PCではない
ChromeBookはタブレットでもない
ChromeBookはGoogle系サービス専用機
2024年現在においては比較的安価に手に入るものの使用シーンは限られている。
今後状況が変化することもあると思います。2024年の今日の時点でのある一般人目線での所感として捉えていただけると幸いです。