僕が運用している中で最古のMisskeyインスタンス、ねこ街が2/25をもって終焉します。
非常に残念ですが検討に検討を重ね、岸田総理になるぐらい検討を重ねた結果閉鎖させていただくことになりました。
検討内容を具体的に述べますと、利用者人口が著しく少ない点、Misskey側も不調になり始めた点が今回の決断のネックになりました。
まあ、そんなことはどうでもいいというレベルで皆さんからすればねこ街は無名なサーバーです。
今回はねこ街ってどんなサーバーだったの？という部分が触れられるように、僕サイド、利用者の方々をもとに振り返っていきます。
僕から見て
ねこ街のデザイン
ねこ街は他のインスタンスと差をつけるために、セキュリティパッチで軽微な修正を加えた他はMisskey V12を使用していました。
こんな感じ。
見た目は今皆さんが使っているであろうV13と比べると若干シンプルな感じですね。洗練されたデザインなので今でもV12を利用している人口は少なくないです。
個人的に興味深かった機能は連係機能です。
この機能は管理者側が設定していなければ使えなかったのですが、TwitterやGithubからログインする機能がこのバージョンでは備わっていました。
個人的に高評価したいのが要求スペックの少なさ。
メモリが1GBあればビルド可能という驚異のエコロジーさを持っていました。
運用の変遷
ねこ街は僕が運用したMisskeyの中でも様々な事情でサーバーを変えていたサービスです。 どんな感じでサーバーを移り変えてきたかをざっくり紹介します。
2023年2月 VPSで運用開始
運用開始時はVPSで試運転する形でサーバーを動かしています。ちょうどこのタイミングで世間はMisskeyV13に移行を始めた時期ですが、 ここであえて旧バージョンを使って動かしてみればナレッジも多く面白いと思い、以下のスペックのVPSを借りて運用を始めました。
構成：
- CPU 1core
- RAM 2GB
- SSD 50GB
おおよそ月500円ぐらいです。安いものですが15人ぐらいを招き入れた段階でリソースの限界を迎えました。
VPSなので鼻ほじでスケールアップすればいいと思ってポチポチ押していると「このリソースはスケールアップ出来ないよ～ん。」との一報が...
...
うんこ。
過度に安かったりスペックが限定されているVPSは、提供する企業によってはスケールアップに対応していない場合があります。
僕が借りたスペックはもっぱら広報サイトやHugo等、軽量のサービスをデプロイするために提供されているプランでした。
それを知らないまま僕は容量を拡張するといった点を後先考えずに契約してしまったので、泣きを見ました。
これ以降殊にSNSといった継続的に情報が膨張するサービスを運営する際は慎重に契約するように肝に銘じています。
ということでVPS引退。
2023年3月 オンプレへ移行
構成: - CPU 2core - RAM 4GB - SSD 100GB
VPSから急遽自宅に転がっていたどこの家庭にでもある事務用デスクトップPCにお引越ししました。
ちゃんと撮影をしていたはずなのですが、僕の手違いで僕のお友達のIさんが幼児退行している投稿を対象の画像に上書き保存していたみたいで、失念しました。
話が逸れましたがサーバーを移行する際に一番難渋したのがメディアの移行です。
ユーザーデータはSQLを抽出すれば問題ありませんが、画像に関してはファイルごと引越ししないといけないのでかなり時間がかかりました。 この労力が非常に億劫だったこともあり、以降ねこ街のようにすぐに環境を変えるようなMisskeyインスタンスはオブジェクトストレージでメディアを管理するようにしました。
2023年4月
構成:
- CPU 2core 2core
- RAM 8GB 8GB
- SSD 100GB 1TB
要望に応えインスタンスを増やしました。何故か。
それに応じてどこの家庭にでもあるもう一台の事務用デスクトップを取り出し、相互でホットスタンバイ方式に転換し可用性を上げました。
私生活の写真なのでポリゴン数が減っただけで別にいかがわしくないです。
2023年7月
構成:
- CPU 4Core 4Core 4Core
- RAM 16GB 16GB 10GB
- SSD 1T 1T 1T
何故かインスタンスがまた二つ増えました。もうやってられないのでどこの家庭にでもある事務用デスクトップをもう一台出してきて、クラスタを組みました。 組んだのはいいのですが、頻繁に落ちてしまうという怪現象に遭うことが増えて、通信が不便だったので自動化ツールを作成して僕が直接触らなくても何とかするようにしました。
僕だけでなく余波で市区町村すべての住民の頭が禿げる程悩んで作ったので、ここからもう殆どノーメンテで運用できています。
2023年9月
爆裂にリクエストが増え、謎の大きい黒い箱。
（サーバー）を買ってしまいました...
2024年1月
ねこ街の利用者が顕著に少なくなったため、他のサーバーにリソースを割くべく、4月の構成に戻しました。
2024年2月
利用者の方から「最近重い」という連絡を頂き確認したところ、確かに挙動にカクツキが出ていることが判明しました。
利用者数の減少により、ニーズがあまりない点も踏まえると、そろそろ限界だなと思い閉鎖を告知しました。おおよそ一年、長いようで超短いです。
こんな感じで、サーバーを乗り換えながら地道に維持してきました。僕はエンジニアではないのでこういった経験は非常に勉強になり、 普段読まないようなドキュメントやツールに触れることが出来て非常に有意義でした。
利用者の方々
ねこ街という名前や30代以上を募っているという宣伝から登録して下さる方はいらっしゃるのですが、やはり30代以上ということもあり、皆さん数日でTwitterやFacebookに戻られていて「いかないで～」というのを何回も繰り返していました。
登録者は120人いましたが、実際に利用していたのは僕を含めて5人程度。 もはや個人サーバーのような感じですね。（笑）
しかし、その中でもサービス開始時から毎日利用して頂いていた方もいらっしゃり、僕はこの方が快適に使っていただける限り運営を続けるという動機を持つようになりました。
機能も少ないうえにレガシーな弊サーバでしたが、毎日利用していただけたのは本当にうれしかったです。本当にありがとう。
ねこ街を振り返って
ねこ街で運用してきたノウハウは今運営している他のサーバーに生かしています。
Misskeyを建てて運用するといったことはどういう事かという部分が体系的に学べ、また利用者の方に親切にして頂いた事で、SNSやサービスを管理する事の楽しさが知れました。
これからもがんばるぞ。
で、ちょっと待って！
このままで終わってしまうとおっさんの長話で終わるので、お土産を置いておきます。
この中にはねこ街オリジナルのログイン画面と絵文字が入っています。少ないですがカスタム絵文字やPCの壁紙などにご活用ください。
